電車で娘のところへ行こうとしたときのこと

2人目の孫が生まれて2週間が経った。
妻は娘が退院してから世話をするために娘の家へ泊まり込んでいる。

娘の旦那さんが休みが取れたというので、妻も2日間帰ることになった。
私が電車で娘のところまで行って孫を見てから一緒に帰ることにした。

駅まで歩いて改札の前に行き、SUICAをカバンから出して改札に入ろうとした瞬間だった。
後ろの方からダッシュで走ってくる音が聞こえた。
次の瞬間、SUICAをタッチしようとしている私の横から物凄い勢いで人が駆け込んでいった。
バーンという大きな音の後にズダーンという音が続いた。
あまりの音に私は身を屈めたほどだった。

どうやら私の前にすごい勢いで駆け込んで、SUICAが反応せず閉じたゲートに体当たりして転んだ人がいたようだ。
その人は起き上がってこちらを見たときに一瞬「あっ」と言ったが、そのままSUICAをタッチしなおして行ってしまった。
私は何が起きたのか理解できずに少しの間立ち尽くしていた。
それほどまでに衝撃的だった。

それ以上に驚きだったのは、そんな大きな音がしたにも係わらず駅員も周りの人も何の反応もなかったことだ。
あと少し私が前に進んでいたら、きっと体当たりされて大変なことになっていただろう。
なぜ駅員は注意もしないのか不思議でならなかった。
物凄い勢いで割り込んだ人も理解に苦しむ。
そんなに急いでいてもゲートにひっかかって転んでいては仕方がない。

その後改札をくぐり、タイミングが悪く電車が発車するまでしばらく待った。
電車はすぐに来たのだが、特急待ちで15分ほど停まっていた。
発車すると車内アナウンスで「駆け込み乗車は大変危険ですのでおやめください」と流れた。
車掌さんは相当ご立腹だったのか「8号車で駆け込み乗車したお客様、大変危険ですので云々」という、まるでお前だお前といっていう口調で何度も注意をアナウンスしていた。

たまにしか乗らない電車なのに、こうも色々あるものか。
それとも、これが普通の風景で私が世の中からズレているのだろうか?
ほぼ家から出ない暮らしをしているのも確かなのだが・・・